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第2回 リオネッタと学ぶお嬢様英会話

争いは同レベルでしか起きない

リオネッタと学ぶお嬢様英会話教室、第2回でございます。

記事の趣旨は初回に載ってますのでそちらをご参照ください。
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それでは今回も解説していきましょう!
第2回のセリフはブーメラン気味なこれ。

リオネッタ「喧嘩などではありませんわ。喧嘩は同レベルの相手とするものですもの」


英語版だとこうなります。

Rionetta「This isn`t a fight at all. Fighting is the sort of behavior done among equals


クランテイルの仲裁に、そもそも那子は自分より下なので喧嘩とすら見做していないのがリオネッタらしくて好きですね。

さて分かりやすいところから所見で。
「This isn`t~」は「喧嘩などでは~」でしょう。否定形ですし文章も一纏まりです。「Fighting~」から続く英文も「喧嘩は同レベルの~」となりますね。この辺の訳そのものはまだまだ楽でしょう。
最後の「equals」という単語が本文では斜体となっています。これが所謂お嬢様言葉の語尾に当たる、またはそれを表現する単語なのかな~と推測しました。
途中で「done」が出てきているのもちょっと怪しいですね。急に過去分詞が出る時は要チェックです。

さて「」で分解して詳しく調べていきましょう。

そうするとこうなります。

Rionetta「This isn`t a fight at all. 」「Fighting is the sort of behavior done among equals

では一つずつ見ていきましょうか。


「This isn`t a fight at all. 」

"at all"否定文で使われること"まったく~ない""少しも~ない"という強い否定の意味になります。"This isn`t"がありますので、"これは~とは違います"となりますね。
"a fight"は不定冠詞が付いた名詞なので"喧嘩"。合わせて考えると「これは喧嘩などではありませんわ」かな。
まんまですね……”~とは”が絶対に違うという感情がリオネッタにあるので個人的に外せない訳です。


「Fighting is the sort of behavior done among equals

とりあず気になる"done"前と後で分けて考えましょう。
"Fighting is"は主語とbe動詞、"喧嘩は~です"となります。喧嘩とは何か、続く"the sort of ~"が説明しております。
"sort of "はkind of~と同じ形容詞・動詞にくっついて"多少""やや"という意味合いを持ちますが直後の"behavior""態度""行動""振る舞い"などの意味を持つ名詞。つまりここは"~の種類””~のような”という意味となります。


そして"done"ですが…主語が見つからない! と思っていましたが、これ"Fighting is"が主語ですね。”(Fighting is)done among equalsなら意味が通ります。

"(Fighting is)done"受け身"(喧嘩は)行われる"かな。この辺は自信ないですね。
"among equals"にとりかかりましょう。前置詞の"among"”~の間で”。後ろの"equal"には"s"がついて複数形ですので"between"は使いません。
"equals"は所謂イコール、等号=と同じで"同等(の人/物)""匹敵する(人/物)"という意味になります。単語そのものは普通で斜体にする意味が分からず……(平等と公正の違いとかそういう感じかと考えてました)

とういうことで斜体について調べてみると同じ質問をしている方がいました。


文中で英語が斜めに表記されているのはなぜ? -いつも大変お世話になっ- 英語 | 教えて!goo


斜体、イタリックと言うらしいですね。初めて知りました。
答えている中で単純明快"語句の強調"と出ていてなるほどと納得。
リオネッタが嫌味を言うならカチンと来る部分をはっきり聞こえるようにするのは当たり前で、那子に「喧嘩は同レベル↑の相手と」(equalsがイタリックなので同レベルを強調して)こんな風に喋ったシーンが思い浮かびました。

凄い、本文だとサラッと流した台詞ですけど、英文は前後の文脈に配慮して"リオネッタならこう喋るのでは"ということをやっている…。本人の息遣いが聞こえてきそうな台詞、最高です。


強調した部分を考慮すると「喧嘩は対等の関係でされる行為ですもの」かなぁ。固めな意訳になってしまいましたね。"対等"を英文では強調しているのでそこでバランスを取りましょう。

総評


原文 
リオネッタ「喧嘩などではありませんわ。喧嘩は同レベルの相手とするものですもの」

英語版
Rionetta「This isn`t a fight at all. Fighting is the sort of behavior done among equals

意訳
Rionetta「これは喧嘩などではありませんわ。喧嘩は対等の関係でされる行為ですもの」


私的な意訳はこんな感じです。殆ど同じですが、英文は単語が強調されていたのでよりニュアンスが伝わってくるものでした。


ここでちょっと面白い情報を一つ。

「sort of」と「kind of」の違いは? | 英語部

「kind of」と「sort of」はほとんどの場合、置き換え可能ですが、
アメリカ人は「kind of」をよく使い、イギリス人は「sort of」をよく使います。
しかし、アメリカ人でも「sort of」を使う人はいますので、あくまでも人の好みというところでしょう。(英和部「sort of」と「kind of」の違いは? より抜粋 )

これ、前回でも指摘した部分なんですよね。リオネッタはイギリス英語を喋っている。

文脈から察するに、この"cross"は"いらいらしている""不機嫌な"といった形容詞であると考えました。意訳は「貴女、まだイライラしてますの?」ぐらいでしょうか。 ”cross”は"angry"ほど怒っていないらしいので、これぐらいで。 あんまり使われないネイティブ、イギリス英語らしいですね。リオネッタのお嬢様な言い回しに一役買ってると嬉しい。

第1回 リオネッタと学ぶお嬢様英会話 - りおすき


第一回で調べてみた結果、リオネッタはイギリス英語を使用していましたが、今回の「sort of」もまたイギリス人が好む使い方でした。
おお、一貫性が生まれた…! これはリオネッタの演技がかった言葉遣い、お嬢様言葉に対応した特徴付けであると言ってもいいでしょう。リオネッタってクラシックな見た目してますし、イギリス英語でも全然違和感ありませんもんね。流石は上流階級の元お嬢様だ。
これは調べてみなければ分からなかった部分です。
ドール魔法少女が昔ながらの英語でカッコよく喋ったら惚れるしかないんだよな…
リオネッタ、好きだ…


それでは、次回もまたよろしくお願いします。