たけじんの趣味雑記

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リオネッタの呼称と回数 後編

さんを付ける相手とは

take-jingle.hatenablog.com↑前編からどうぞ。



前編を調べ終えたところで、次は後編を纏めていきましょう。


後編

名シーンの連続でリオネッタ好きには堪らない結果です。
クランテイルや那子は日の目を見ることができるのか?
それとも「ペチカさん」を連発してしまうのか?


後編でリオネッタがパーティーメンバーを呼んだ回数は……






ペチカ

2


クランテイル

1


御世方那子

0



という結果で決着です。

リオネッタは超重要シーンで2回ペチカの名を呼びました。どちらもそれだけで1つ記事が書けるレベルです。
クランテイルはこの記事の発端である、買い物の件でさらっと呼ばれていましたね、
那子は結局一度も名前を呼ばれないままリタイアしてしまいました。ただ那子とは喧嘩で相当絡んでいますので、名前で呼ばれなくともある種の関係が築かれていたと考えています。まぁこの辺も関係性の考察で。

那子が死亡しペチカにフラれると別れるシーンはリオネッタの感情を克明に感じ取れて辛いです。書きます。
リオペチ好きとしてはペチカをトリに持っていきたいので、最初はクランテイルさんからです。


後編の「クランテイルさん」1回

その1

クランテイルさんの槍は片方+5のままにしておきましょう。次のエリアでもっとプラス修正の高い武器が売っていたら支払い損になってしまいますもの」
魔法少女育成計画restart後編 36p より引用)

メンテナンス期間前のイベントであるジャンケン大会後、図書館エリアや魔王城エリアでは必要キャンディー数が膨大であるとファルのアドバイスを受けて。
金銭感覚がしっかりしているリオネッタさん素敵。元お嬢様(元ってところがミソ)の彼女がこうならざるを得なかった背景を感じ取ることができますね。九条李緒だった頃は後先考えずに払っていそうだなぁとか、前編でリオネッタはRPGのお約束を知っていたのでゲームではこういうタイプなのかなぁとか妄想が捗ります。お嬢様もゲームをする時代……全く想像できませんがゲーム知ってるのが驚きというか……

おどおどしてるペチカと静かすぎるクランテイルはキャンディーをどう使用するかに悩んで結局なにも買わなそうで、対象的にガンガン「R」を回してキャンディーを使いそうな那子に預けるのは危険そう……と3人が極端なので、お金にがめつく利を重んじるリオネッタがパーティーのサイフ係っぽい印象がありますね。
初めは「R」を回すのに渋っていたリオネッタが途中から文句を言わないのは、ペチカの料理をより楽しむためには食器が必要で、それを得るためのガチャ解禁……といったところでしょう。キャンディー数を競う際、那子にもその点を反論されていました。

リオネッタがクランテイルを「さん」付けするのは、ペチカに対する親愛/愛情というものよりかは戦友/畏怖といった側面が強いと考えます。リオネッタの基本は自分ですから、己より強者には目立つように逆らいません。クランテイルに忠告されれば那子との喧嘩も中断し、リーダーの取り決めにも不承不承といった具合で従います。戦闘班でずっと一緒でしたから強さは誰よりも知っているでしょう。

後編では徐々に仲が深まったことを考慮しても、リオネッタにとってクランテイルは従うべきリーダーとして見ていると思われます。


それでは最後の締め、ペチカを呼んだ2回。どちらも涙なしには語れない名シーンです。


後編の「ペチカさん」2回

その1

「……ペチカ、さん」
(中略)
「一緒に、来ませんか?」
(中略)
「けして良い生き方をしてきませんでしたが……誰かを誘える立派な人間ではありませんが、それでも……」
魔法少女育成計画restart後編 118p より引用)

那子とヒートアップしていく怒鳴り合いの中、突如として攻撃してきたドラゴンをなんとか始末した後のセリフ。
大事なペットを殺され泣いている那子を一瞥し、リオネッタはペチカだけを連れて行こうと誘いました。

ここは本当にもう……読むだけで辛い。まさにリオネッタの素顔と本音が現れた瞬間、ペチカにだけ見せる弱さ

これまでに何人も殺してきたであろう裏社会で積み重ねた業と、脅迫によってプレイヤー一人を殺したゲーム内での罪。言葉の意味をペチカが知る由もありませんが、彼女を誘うにあたってリオネッタは全てを吐露した上で「それでも」を望みました。
なぜならペチカはリオネッタの幸せそのものだったから。リオネッタが取り戻したい過去の幸せの象徴が、ペチカが作る料理ひいてはペチカ本人だからです。借金を返済するのも過去の九条家がリオネッタの幸福。そこに繋がる"美味しい料理=ペチカ"をリオネッタは求めているのです。

魔王が見つからずに追い詰められ、更に那子と決定的に仲違いをしたリオネッタの精神は既にボロボロでした。最後に残ったリオネッタの希望──絶望的な状況で戦うための理由が、生きるための理由が必要だった。それがペチカ。ペチカを誘う資格など自分には無いと理解していながら、「それでも……」と言ったリオネッタのペチカを想う感情の大きさが窺えます。



一緒に生きて欲しいと素直な想いをぶつけた、一種のプロポーズと言えますね。




その2

「ペチカさんの手を傷つける者は許さない。そう約束しましたの。それに貴女を倒せばゲーム終了なのでしょう? 魔王の依頼はお断りですわ」
魔法少女育成計画restart後編 169p より引用)

クランテイルとペチカの眼前で共謀を暴露され、再び裏切るかと思われた矢先にメルヴィルへ攻撃して一言。
指を踏み折られたペチカを前に、リオネッタはある約束を持ち出して語ります。

前述でペチカと別れたリオネッタがそれでもなお戦う理由、それは「貴女を守る」という約束でした。リオネッタの呼称と回数 前編 - りおすき
前編で紹介しましたが、初めてリオネッタが"ペチカさん"と呼んだ時に結んだ約束を果たそうとしたのです。あぁリオネッタ……ただひたすらに一途で可愛いしカッコいい……。リオネッタはただただペチカの為に力を振るいました。自分のためではなく、誰かのために力を使う──以前のリオネッタからは思いもよらない成長です。

restartで対峙したのは"メルヴィル"──短編マジカルイリーガルガールで逃走した相手は"森の音楽家クラムベリー"
メルヴィルはクラムベリーと容姿が似ており、その役柄も作品内で似ていることから、一年前逃げ出してしまった敵に対し、今度は逃げずに立ち向かった……というメタ的な目線で、リオネッタが過去に打ち勝ったことを示しています。

記憶を取り戻した魔法少女達の中で、過去を乗り越えることができたのはリオネッタとペチカだけでした。
プフレは試験時から変わらず才能を発揮し、シャドウゲールは武器を振るう相手を間違え、メルヴィルは負けて音楽家を越えられず、クランテイルは仲間に生かされ続けた。


そう考えるととってもリオペチだなって……(それが言いたいだけ)


後編総評


前置きの通り重要な場面の連続で、リオネッタがここぞという時にペチカの名前を呼んでいることが分かりました。
特に最初の「ペチカさん」で貴女を守るという約束が、最後の「ペチカさん」で手を傷つけた者は許さないと、リオネッタが過去を乗り越えペチカのために戦う原動力となりました。
お互い全く境遇が違う、普通なら性格の不一致ですぐに仲違いしそうな関係性ですが、二人を繋ぎ止めたのは「料理」「約束」だったということですね。
いやー調べるために久しぶりに読み返したけど、やっぱりリオペチ好きだなぁ……と改めて思いました。